小学生で英検2級を考える前に知っておいてほしいこと

  近年、英検受験の低年齢化が進み、「小学生のうちに英検2級を受けさせたいのですが、可能でしょうか?」というご相談を保護者の方からいただく機会が増えてきました。

 周囲での合格例を聞いたり、将来の中学・高校・大学入試を意識したりすると、この質問自体はとても自然なものだと思います。実際、過去の英語便の受講生の中で、英検1級、準1級、2級といった難易度の高い試験に小学生で合格されている方は一定数いらっしゃいます。

 ただ、小学生のうちから難易度の高い試験に挑戦するということは、どういうことなのでしょうか? 本記事では、小学生の受験をサポートしてきた講師やスタッフの立場から

「小学生で英検2級は可能なのか?」
「なぜ多くの場合、無理が出やすいのか?」

について、できるだけ冷静に整理してみたいと思います。

結論から:小学生で英検2級は「不可能ではない」が…

 結論を先にお伝えすると、小学生で英検2級に合格すること自体は、不可能ではありません。

 しかし、過去の英語便メンバーで小学生で1級、準1級、2級に合格されている方は、帰国子女(幼少期を英語圏で生活されている方)が大半です。また、日本語環境で育っていても、英語環境に恵まれた一部の小学生が2級に合格するケースも存在しますが、事例は多くありません。
 講師陣の共通した認識としては、多くのケースにおいて、小学生に2級を目指させることは無理が出やすい、というのが正直なところです。
 その理由は、「努力が足りないから」でも「才能がないから」でもありません。

なぜ「小学生 × 英検2級」は無理が出やすいのか

① 試験内容が「大人向け」に近づく

  英検2級で扱われるテーマには、次のようなものが含まれます。

• 環境問題
• テクノロジーと社会
• 教育制度や働き方
• 国際的な課題や社会問題

 これらは、語彙が難しい以前に、話題そのものが抽象的です。日本語でも説明が難しいテーマを英語で理解し、スピーキング、ライティングにおいては自分の意見としてまとめる必要があります。

 その結果、小学生の場合、

• 内容をよく分からないまま暗記する
• 「型」だけをなぞる回答になる

といった状態になりやすいのが現実です。

② Writing・Speakingで求められる「思考の深さ」

 英検2級では、

• 自分の意見を明確に述べ
• 理由を説明し
• 具体例で補足する

といった論理的な思考力が求められます。

 小学生の場合、英語力以前に

• 「なぜそう思うのか」
• 「どう説明すれば相手に伝わるか」

という思考の型そのものが、まだ発達途中です。結果として、合格はしても、英語力として十分に定着しないことも少なくありません。

③ 学習負荷が大きい

  英検2級対策では、

• 大量の語彙暗記
• 長文読解
• 意見作文や要約の反復練習

が必要になります。

 その負荷が小学生にとっては大きく、

• 英語が「楽しいもの」から「重たい課題」になる
• 他教科や生活とのバランスが崩れる

といった影響が出ることもあります。

それでも「おすすめできる」ケースとは?

 「小学生のうちに英検2級を受けさせたいのですが、可能でしょうか?」というご両親のお問合せに対しては、上記のようなことをお答えしています。

 一方で、講師の経験上、以下のような条件下にいる方には受験をおすすめしています。

• すでに準2級を取得しており、本人に2級を受けたい意思がある
• 海外経験がある、または日常的に英語で考えたり会話したりする環境がある
• とにかく勉強が好きで、学習を楽しめている(長時間の学習負荷があっても、ストレスを感じにくいタイプ)

説明する女性  こうした場合は、「例外的な条件がそろっている小学生」というより、受験、または学習が本人にとってプラスになる可能性が高いと言えるでしょう。講師の立場から見ると、多くの小学生にとっては、「3級〜準2級で4技能をバランスよく育てる」「語彙の学習、リスニングや読解に加え、Writing・Speakingを意味のある形で積み上げる」ことの方が、結果的に英語力につながるといえます。

「いつ2級を取るか」より大切なこと

 英検について考えるとき、「周りの人より先行したい」「何年生で2級を取るか」といった話題になりがちですが、本当に大切なのは、学年や発達段階に合った級で、英語を「使える形」で積み上げることです。それが結果的に、一番の近道になります。
 例えば、2級を受験する前に、2級の内容を理解し、書き、話せる状態かどうかを見極める作業を行ってください。

説明する女性 英検はゴールではなく、あくまで通過点です。早さよりも、あとに残る力を重視したほうが、長い目で見ると確実に英語力は伸びていきます。英検をどう活用するかは、ご家庭やお子さまの状況によって異なります。だからこそ、「早く取ること」そのものではなく、その級が何を測っているのかを理解した上で、判断していただければと思います。 特にライティングについては、無理に早くはじめなくても、基礎知識をしっかり身につけていれば、適切な時期に数か月の準備期間をもつことで、合格を目指すこと自体は現実的な範囲になります。

以下の記事も参考にしてください

=> 英検トレンド – 英検の主戦場は中位級へ?3級〜2級”いま重要”な理由

=> 英検準1級ライティング:要約問題の攻略法【4つのポイントを押さえる】



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