写真を見て英語で描写する練習は、ライティングの表現力を高めるだけではなく、会話力も向上させます。しかし、いきなり全部を描写するとなると、情報量も多く書く前からモチベーションが下がってしまうという声もあります。
当記事では、初級・中級・上級とステップを分けて取り組める写真描写練習法をご紹介します。
以下の写真を使って描写に挑戦してみましょう。
ステップ1 初級:シンプルな事実を英語で書く
ステップ1では、見えているものを短い文で書けるようになることを目指します。
練習方法:
1. 写真の中から3〜4つの物や人物を選ぶ
2.「There is/There are」「He/She is ~ing」を使ってシンプルに表現
例文:
– There is a man.
男の人がいます。
– A woman is standing on the street.
女の人が通りに立っています。
– The man is waving.
その男の人は手を振っています。
– There are some cars.
何台か車があります。
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👉 ポイント:まずは「会話でしゃべっているような」感じで目に見えるものをシンプルに説明してみます。全体を説明するのではなく、メインのもの(この写真では男性と女性)にフォーカスをあてます。単数複数や、前置詞に気をくばり、正しい文法で書けるようにしましょう。この練習はTOEIC Writingの写真描写(与えられた2ワードを使って文章を作る)の練習にもなりますね。 |
ステップ2 中級:形容詞や副詞を含める
ステップ2では、意識して形容詞や副詞を使うようにします。人物の服装の色など、一歩進んだ説明を含め場面全体の雰囲気や情景を描写できることを目標にします。
練習方法:
1. 写真の「場所」「人物の動作」「雰囲気」をセットで描写
2. 形容詞や副詞を1〜2個加える
例文:
– A man in a blue shirt is waving and smiling.
青いシャツを着た男性が、手を振りながら笑っています。
– A woman in a yellow top is standing on the sidewalk.
黄色いトップスを着た女性が歩道に立っています。
– There are colorful cars, including an orange one and a blue one, on the road.
道路にはオレンジ色や青色など、色とりどりの車があります。
– They seem to be greeting each other on a sunny day.
晴れた日に、二人はお互いに挨拶をしているようです。
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👉 ポイント:「5W1H(Who, Where, What, How)」を意識しながら書くことで、描写が自然に広がるようになります。急に詳細な記述をめざすのではなく、「1つの文に1~2個の形容詞や副詞を加える」ことを意識して書いてください。 |
ステップ3 上級:ディテールと正確な表現に挑戦
ステップ3では、細かい要素や条件を的確に表現できることを目標にします。
練習方法:
1. 色、人数、位置関係を具体的に表す
2. 条件表現(while, although, because)や比較表現を取り入れる
例文:
– On a city street, a young man wearing a light gray T-shirt and a blue denim shirt is waving enthusiastically to a woman.
都会の通りで、薄いグレーのTシャツに青いデニムシャツを羽織った若い男性が、女性に向かって熱心に手を振っています。
– The woman, dressed in a yellow short-sleeved top and carrying a brown handbag, is standing on the sidewalk and raising her hand in return.
女性は黄色の半袖トップスを着て、茶色のハンドバッグを持ちながら歩道に立ち、手を挙げて応えています。
– Behind them, several cars—including a bright orange SUV and a dark blue sedan—are driving along the road in front of a brick building.
その後ろでは、レンガ造りの建物の前の道路を、明るいオレンジ色のSUVや濃い青のセダンなど数台の車が走っています。
– While the day is sunny and bright, the atmosphere feels relaxed as the two meet again.
その日は晴れて明るく、二人の再会は穏やかな雰囲気に包まれています。
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👉 ポイント:写真を見ていない人にも情景が伝わるように、詳細な説明を心掛けます。 |
ステップ4 上級+α:自分の言葉で物語を加える
ステップ4では、描写した情景をもとに「ストーリー性」を加えてみます。写真の中にある情報に加えて、登場人物の背景や感情、これから起こる出来事を想像しながら書くことで、自然に文章量も増え、英語での発想力が養われます。
練習方法
1. 写真から得られる「事実」をベースにする
2. そこに「もし~なら」「きっと~だろう」といった想像を足す
3. 短いストーリーとして一貫性を持たせる
例文:
It is a sunny day as two old friends meet again, but the temperature isn’t too high, which is a relief since both of them are wearing jeans. The guy looks really excited to see his friend, though she doesn’t seem quite as enthusiastic. He is waving his arm high in the air, while she keeps hers pulled in close to her yellow shirt. The building nearby looks as if it belongs to a university, so perhaps they are classmates rather than just friends. Since neither of them are carrying school supplies or textbooks, it’s possible they don’t have any classes scheduled on this day. Most likely, they are going to stay on this side of the street, whether they plan to have lunch, exchange notes, or even go on a date.
今日はよく晴れた日で、二人の旧友が久しぶりに再会しました。幸い気温はそれほど高くなく、二人ともジーンズをはいているので過ごしやすいようです。男性は再会をとても喜んでいる様子で、腕を高く振って大きく手を振っていますが、女性の方は黄色いシャツの胸元に腕を寄せ、少し控えめに見えます。近くの建物は大学の施設のように見えるので、二人は単なる友人ではなくクラスメートなのかもしれません。ただ、どちらも教科書やノートを持っていないので、この日は授業の予定がない可能性もあります。おそらく二人はこの通りのこちら側に留まり、昼食を一緒にしたり、ノートを交換したり、あるいはデートを楽しんだりするのかもしれません。
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👉 ポイント : ストーリー化することで、会話力にも直結します。「このあと何が起きるか」を考えると自然に未来形や仮定法も使えるようになります。 このステップに正解はありません。自由度が高いため、練習を楽しみながら「自分の言葉で書く力」を伸ばすことを意識しましょう。「細かい色合いを表現する」「句動詞を使う」など自分なりの課題を決めて取り組んでみることも有効です。 |
以上、ステップ別の描写練習例を紹介しました。写真描写に正解はありません!レベルや目的に併せて描写を楽しんでみてください。複雑な動きや感動するような景色が言葉で説明できるようになると、ライティングだけでなく、会話力も格段に上がります。
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以下の写真描写に関する記事も併せてご参照ください。
=> 英語で人物描写のヒント No.1 – 髪色の表現
=> 英語で人物描写のヒント No.2 – 髪を結んでいる・編んでいる表現
=> TOEIC SW – Writing 写真描写問題でよくある文法エラーベスト3