英語でストーリーを書くときの時制は現在形 or 過去形?

  近年は学習のために英語で日記やジャーナルを書かれている方だけではなく、日本語の小説を英訳したりオリジナルな英文小説の執筆にチャレンジされてる方も多くいらっしゃいます。そんな方々からのご質問として多いのが、「物語を展開させるときにどの時制を使えばよいか?」ということです。日本語ストーリーでは現在形と過去形が入り混じっていてもあまり違和感がありませんが、英文ライティングにおいては書く前に、現在形を使うか過去形を使うか決めておく必要があります。以下、考え方のヒントを記述します。

一般的には過去形を使う

 実際、英語でストーリーを書くときには大半の人が過去形を使います。先週起こったこと、読んだ本の内容を伝えるなど、過去のイベントが中心となるためです。口頭で出来事を伝えるときも、文章で書く時も基本は過去形です。もちろん、挿入される会話は現在形、「将来的にはこうなる」という記載があれば未来形が入ることになりますが、出来事や動作の記述には、フィクション、ノンフィクションにかかわらず、また、ジャンルが小説や新聞記事であれ、過去形が使われているものがほとんどです。
 原則として、ストーリーを進める上で、現在形を使うか、過去形を使うか迷ったときは、過去形を選択する方が間違いないでしょう。

 一般的に過去形が推奨される理由は、慣習からです。読者のなかには、すでに起きたことが現在形で書かれていると読みずらいと感じたり、辛く感じて最初の数ページで読むのをやめてしまう方もいらっしゃいます。また、イギリスでは一度現在形で書かれた小説を過去形へ書き直して出版している出版社も少なくありません。その方が読者に受け入れられやすいと考えているからだと思います。

現在形の効果と問題点

 技術的には、現在形を使ってストーリーを伝えることは可能です。そして現在形を使う効果は、「これは現在進行中である」という臨場感を読み手へ伝えることができるということです。ストーリーが登場人物と読み手の間で同時に展開することで、Tensions (緊張), Romance(恋愛), Problems(問題)などの経験を共有し、登場人物の世界へ深く入っていくことができます。
 しかし、現在形を使う問題点もあります。もし、ストーリーの中に十分な動きがない場合、例えば何かを食べる、通勤するといった日常よくある行動を現在形で体験を共有しながら読んでいると読み手は退屈してしまいます。

 実は、現在形で効果的に書き続けることは多くの人にとって難しい作業なのです。結果的に退屈な文になったり不自然な英文になる確率が高いのです。このため、現在形を使うときは、効果と問題点を意識しながら書いていく必要があります。

※ 1852年に書かれたThe Charles DickensのBleak Houseは、ほとんど現在形を使って書かれた初期の小説の一冊です。最近ではSuzanne Collinsearsの書いたThe Hunger Gamesも現在形を使って書かれています。

ストーリーの中での現在形と過去形の混在

 もちろん、ライターの中には現在形と過去形両方を使うのが好きな人もいます。例えば、ある人物が現在進行形で何かを行い、次に別の人がその状況を過去形で伝えるといった場合には、現在形、過去形が混在します。この場合、章やパラグラフが明確に分けられ、目的が読み手に伝わっていれば時制の混在は問題ありません。

まとめ

 以上、まとめると英文でストーリーを書くときは、
– 基本的には過去形を使う方が自然
– 臨場感の効果を意識するときは現在形が有効、ただし退屈にならないよう内容に注意する
– 現在形と過去形を混在させるときは、効果と目的を考えた上で章やパラグラフを分ける
という3点を意識しておけば問題ないといえます。

 次回、洋書を読むときは時制も意識してチェックしてみてください。そしてぜひ自分自身でも、同じストーリーを現在形、過去形で実際に書いてみると勉強になると思います。Good luck!

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