因果関係を表す動詞の使い分け – Cause, Lead to, Result in

英文法・語法

 今回は、アカデミックエッセイや資格試験エッセイでよく使われる、因果関係を表す3つの動詞(Cause, Lead to, Result in)の使い分けを解説します。3つの動詞は多くの場面で入れ替え可能ですが、意味やニュアンスの違いがあります。意味を抑えた上で、全体の文意、文脈に合った動詞を選択するようにしてください。

意味と利用場面

 まず、それぞれの動詞の基本的な意味と利用場面を確認しておきましょう。

動詞 意味 利用場面など
Cause (主に)悪いこと、面倒なことの原因となる、悪いことを引き起こす,悪影響をもたらす、与える 結果として悪いこと(事故や災難など)が起きたときの説明に適している。
Lead to
(句動詞)
~という結果につながる、~という結果をきたす、~という結果につながる 比較的長期的、または間接的に生じた因果関係の原因と結果の説明に適している。
Resulted in
(句動詞)
~という結果になる、~という結果をもたらす 直接的(原因と結果が明確)な因果関係の説明に適している。

使い分け1 : Causeは悪いことのみ

 それぞれの動詞は入れ替え可能な場面も多いですが、Causeは悪いこと、面倒なことといったネガティブな結果になる場合にのみ使われます。

 たとえば以下の4つの文では、(A)(B)(D)は正しく(C)のみが不適切です。her success 「成功」はポジティブな結果であるため、causeを使った文には当てはまりません。

(A) Her ambitious determination caused certain health problems.
(B) Her ambitious determination resulted in certain health problems.
(C) Her ambitious determination caused her success. (NG)
(D) Her ambitious determination led to her success.

使い分け2 : 人が原因となるのはCauseのみ

 Result in, または Lead to を使った文では原因が「人」にはなりえません。一方、Causeを使うときは「人」が原因になることができます。

(NG) She often results in problems in the office.
(OK) She often causes problems in the office.
彼女はしばしばオフィスで問題を引き起こす。

使い分け3 : Lead to と result in の使い分け

 
 Lead toとResult inは 意味的には非常に近いです。しかし、Result in が比較的直接的ですぐ出る結果に対して使われるのに対し、Lead toは、長期的なもの、他の要因もあり、何かが引き金になったもの、または直接ではないが、間接的に何かが起きることに関与したものなどに対して使われる傾向があります。

 たとえば、以下のようにある事象が結果に直接に結びついているときはresult inを使う方が適しています。

The rise in coronavirus cases resulted in the government’s decision to cancel the Olympics.
コロナの事例の増加により、オリンピック中止という政府の決定がなされた。

 以下の文のように、長期的な要因、また間接的な要因を説明する場合にはlead toが適しています。

His constant lateness led to him losing his job.
遅刻の繰り返しが、彼が仕事を失う原因となった。

※ 「遅刻を繰り返すことにより、仕事を失った」という意味ですが、lead toを使うことで、他にも彼には原因があったかもしれない(勤務態度や仕事の質など)というニュアンスが含まれます。

復習クイズ

 では最後に、当記事で学んだことを簡単に復習してみましょう。以下の4つの文の中で不適切な文は(A)~(D)のどれでしょうか?

(A) The unattended barbecue resulted in a fire.
(B) I always result in a dirty kitchen when I cook.
(C) Overall, my cheerful personality caused me to get the job.
(D) Waking up early always leads to a productive day at work.

[答]

(B) – 「人」が原因であるため、result inを使えません
(C) – 結果がポジティブな内容であるため、causeは不適切です

 以上、因果関係を表現する動詞を説明させていただきました。3つの動詞の使い分けはネイティブスピーカーにとっても難しいものです。しかしきちんと使い分けることで、より英文が自然になり、細かいニュアンスが読み手に伝えられるようになります。ぜひ、覚えて実際に使ってみてください。