形容詞には、文の中で置かれる位置により意味が変わるものがあります。厳密には、形容詞の用法の違いで語順が変わるということになります。
例文を見る前に、形容詞の用法3種を簡単に確認しておきましょう。文法用語を暗記しなくても「こういうものがある」ということを覚えておけば十分です。
1.Attributive adjectives 日本語では「前置修飾」と呼ばれ形容詞が名詞の前に置かれます。 (例)I liked the purple dress. 2.Predicative adjectives 3.Postpositive adjectives |
では以下、具体的に意味が変わる形容詞を見ていきましょう。
Involved
形容詞involvedは「複雑な・ややこしい・入り組んだ」という意味で名詞の前に置かれますが、「関連する~・関係する~」という意味では名詞の後ろに置かれます。
(Attributive adjectives) – 「複雑な・ややこしい・入り組んだ」
The movie had a very involved plot.
この映画の筋は非常に入り組んでいる。
(Postpositive adjectives) – 「関連する~・関係する~」
The people involved are all teachers.
関連する人々はすべて教師である。
Concerned
形容詞concernedは、「心配そうな、憂慮している、関心を持っている」という意味で名詞の前に置かれますが、「関係している~・該当する~」という意味では名詞の後ろに置かれます。
(Attribute adjectives) – 「心配そうな、憂慮している、関心を持っている」
I spoke to some concerned parents.
私は心配している何人かの両親に話した。
(Postpositive adjectives) – 「関係している~・該当する~」
I’d like to speak to everyone concerned.
関係者すべてに話したい。
Responsible
形容詞responsibleは、広い意味を持ちますが「責任がある・重要な・信頼できる」という意味で名詞の前に置かれますが、「何かの原因である、張本人である」という意味では名詞の後ろに置かれます。
(Attribute adjectives) – 「責任がある・重要な・信頼できる」
His parents were trying to act in a responsible manner.
彼の両親は責任ある態度で行動しようとした。
(Postpositive adjectives) – 「何かの原因である、張本人である」
We do not know the person responsible for the accident.
我々は、誰がその事故の張本人なのか知らなかった。
Certain
形容詞certainは、「明白な、決まった、いくらかの」という意味で名詞の前に置かれますが、「必ず・きっと~する」という意味では叙述用法で、linking verb (連結動詞)の後に置かれます。
(Attribute adjectives) -「明白な、決まった、いくらかの」
I always go on a certain day.
いつも特定の日に行きます。
(Predicative adjectives) – 「必ず・きっと~する」
I am certain it will work.
それが上手くいくと確信しています。
Present
形容詞presentは、「現在の・当面の」という意味で名詞の前に置かれますが、「出席している~・居合わせている~」という意味では名詞の後ろに置かれます。
(Attribute adjectives) – 「現在の・当面の」
I know the present headmistress.
私は現在の女性の校長を知っています。
(Postpositive adjectives) – 「出席している~・居合わせている~」
Of the six people present, I knew only one.
ここにいる6人のうち、1人しか知りません。
Proper
形容詞properは、「適した・正確な・妥当な」という意味で名詞の前に置かれますが、「固有で・特有で」という意味では名詞の後ろに置かれます。
(Attributive adjectives) – 「適した・正確な・妥当な」
That’s not the proper way to do that.
それは妥当なやり方ではありません。
(Postpositive adjectives) – 「固有で・特有で」
It’s in a suburb rather than in London proper.
それはロンドンの中(中心部)ではなく周辺地域にあります。
以上、位置により意味が変わるいくつかの形容詞をご紹介しました。文法的に暗記する必要はありませんが、「こういうことがある」ということを気にとめておくだけで、英文をより正しく理解できるようになると思います。Good luck on your study!