AI時代の英語力とは?「書ける人」が持っている5つのスキル

英文法・語法

ChatGPTで「英語力」はもう不要?

 最近は「英語なんてもう勉強しなくていい。ChatGPTがあるから」といった声を耳にするようになりました。確かに、AIは見事な英文を一瞬で作成してくれます。しかし、本当にそれだけで「英語力」は不要になるのでしょうか?

 実は今、AIの登場によって、逆に「本当に英語が書ける人」が求められる場面が増えているのです。AIを使いこなすには、単なる語彙や文法の知識ではなく、「英語を使って何かを伝える力」が問われています。
 当記事ではAI時代にこそ必要とされる「書ける人」が持つ5つの英語スキルをご紹介します。

スキル1:論理的に考える力(構成力)

 AIに「エッセイを書いて」と頼めば、確かに形にはなった文章が生成されます。でも、それが本当にあなたの主張を的確に伝えているでしょうか?
 読み手に納得してもらうためには、「何を言いたいのか」「なぜそう思うのか」を論理的に整理し、効果的に構成する力が不可欠です。この構成力こそが、AIでは代替できない、人間ならではの思考スキルです。

スキル2:適切な語彙選択・トーン調整力

 同じ内容でも、言葉選びやトーン次第で伝わり方は大きく変わります。フォーマルなビジネスメールと、親しい友人へのメッセージでは使う表現がまったく異なります。
 AIが自動生成する文には万能さゆえの「無個性」や「場違いな丁寧さ」が紛れ込むこともあります。適切な語彙や文体に調整するスキルを持つ人が、AI文章を本物に近づけられるのです。

スキル3:文化的背景を理解した表現力

 英語は言語であると同時に文化です。たとえば、謝罪や依頼の仕方、ユーモアの使い方などは、国や地域の文化的背景に大きく左右されます。
 文化を無視したままのAI翻訳や文章では、思わぬ誤解や失礼を生むこともあります。文脈や相手の文化を理解し、それに合った表現を選べる力は、AIだけでは補いきれません。

スキル4:AIの出力を評価・修正する力

AIが生成する英語には、時に事実誤認や不自然なロジック、文脈に合わない言葉遣いが含まれることがあります。それを見抜き、必要に応じて修正できるかどうかが、使いこなしの鍵です。
 つまり「書く力」とは、ゼロから生み出す力だけではなく、「目の前の英語をどう読むか」「どう直すか」という批判的思考力でもあるのです。

スキル5:目的に応じたライティングの切り替え力

 エッセイ、レポート、メール、プレゼン原稿…英語ライティングには多様な種類があります。それぞれの目的や読者に応じて、スタイルや構成を切り替えられる柔軟さは、AIだけに任せられない領域です。
 AIに対し、使う場面に合わせた内容、スタイルやトーンをアレンジして伝え、かつ、出力結果を最適化できるスキルは、これからの英語学習で重視すべきポイントです。

【まとめ】AIを使いこなすのも「英語力」

説明する女性

 AIがどれほど進化しても、それをうまく使うには人間の判断力・表現力が欠かせません。「AIがあるから英語はいらない」ではなく、「英語ができるからAIを最大限に活かせる」時代が来ているのです。
英語学習のゴールは、「AIに頼らずに書ける」ではなく、「AIを味方にして、より良く書ける」こと。だからこそ、今あらためて「書ける力」を育てる意味があるのです。

 書籍『AIを賢く使う英文ライティング:プロンプトとポストエディットの極意』では、ビジネスメールや資格試験のライティング、日記、翻訳など、さまざまな場面で使える英文をChatGPTで生成し、それをどう修正すればより自然で伝わる表現になるのかを、豊富な例文を用いてわかりやすく解説しています。

本書は、当記事で紹介した「AI時代にこそ求められる“書ける人”が持つ5つの英語スキル」をさらに深く理解するのにも最適な一冊です。

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