「病気・ケガからの復活」に関する英語表現 –No.2「克服する・復帰する」

英語便(https://www.eigobin.com/)講師 Brandon Pickhardt

 当シリーズでは、アスリートが病気や怪我から回復する、復活する、または困難を克服するという意味の様々な英語表現をご紹介しています。第2回は、「病気や怪我を克服する、復帰する」に関する表現です。

=> No.1「病気・ケガからの復活」に関する英語表現 – No.1 「回復する・治る」はこちらです。

克服する- overcome [an injury/medical condition/adversity/etc]

 overcomeは、深刻な病気を克服したり、人生の困難な状況を乗り越えたときに使われる動詞です。病気や怪我に限らず、以下の例文のように貧困や家庭環境の難しい状況を乗り越えたときにも使える語です。

Simone Biles overcame a very difficult childhood and became one of the greatest gymnasts in history.
simone bilesは難しい子供時代を乗り越え、歴史上最も優れた体操選手の一人となった。

立ち向かう- cope with [a chronic illness/recurring injury]

 cope with ~ は、~に耐える、~に立ち向かうという意味で、回復がむずしい慢性疾患[a chronic illness]や、怪我の再発を繰り返すような状態[recurring injury] に立ち向かっている状況で使われる表現です。

Plenty of athletes have learned how to cope with Crohn’s disease and be successful in their sport.
多くのアスリートがクローン病を克服して競技で成功する方法を学んできている。

復帰する、再起する、カムバックを果たす- make a comeback

 病気や怪我で活動を中断していた状態から、競技へ復活するときによく使われる表現です。動詞のcomeback単体でも「カムバックする」という意味になりますが、「病気や怪我からのカムバックを果たす」というドラマチックな状況においてはmake a comebackという表記の方が当てはまります。

The baseball player Tommy John is known for making a successful comeback after having a ligament replacement surgery.
野球選手のTommy Johnは靭帯置換手術のあと再起に成功したことで知られている。

 スポーツの世界では、comebackは、怪我や病気からの復活だけではなく、例えば野球チームがリーグ内での順位を落とした後に、再浮上するような、「成績が戻る」という意味でも使われます。

徐々に復帰する – ease (back) into [training/competition]

 Ease には「ゆっくり進む」という意味があり、ease back into~で「~に徐々に復帰する」という意味になります。

He is easing back into international competition after recovering from a rotator cuff injury. 
彼は回旋筋旋盤のけがから回復し徐々に国際試合に復帰している。

前例をひっくり返す – defy the odds ~

 defy the oddsは、引退の原因となるような怪我(career-ending injuries)、 深刻な病状(major medical conditions)から回復するような信じられない状況が起きたときに使われる表現です。

Tom Dolan is a swimmer who defied the odds by becoming an Olympic gold medalist despite having chronic asthma and a narrow windpipe.
Tom Dolanは慢性の喘息と狭い器官を持ちながらオリンピック金メダリストになるという前例にない偉業を達成した。

 以上、第2回は病気や怪我を克服する、復帰/カムバックするという表現をご紹介させていただきました。今回で当シリーズは一旦終了となります。復帰や復活に関する表現の追加リクエストなどありましたら英語便までお知らせください。