説得力のある英文エッセイとは?

 英検や TOEIC Writing などの試験対策として、いきなりフルエッセイを書こうとする人は少なくありません。構成やテンプレートを学べば、一見すると「形の整った英文」を書くこと自体は、さほど難しくありません。

しかし、英文添削では次のような評価になることがよくあります。

 • 文法や構成は正しいが、主張が弱く、印象に残らない
 • 読み終わっても「結局、何を言いたいのか」が見えにくい

なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。

なぜ「内容が弱いエッセイ」になりやすいのか

 その背景には、日本の作文教育の特徴があります。日本語の作文では、次のような書き方でも十分に成立します。

 • 明確な意見を述べなくてもよい
 • 感想や情景描写が中心
 • 最後に「まとめ」を書けば評価される

また、学校教育の中で、対立する立場を取り、自分の考えを主張する訓練はほとんど行われてきません。そのため、日本の英語教育で育った学習者が英語で突然、Write an opinion essay (150 words)という課題に取り組むと、次のような状態に陥りがちです。

 • 断定することに心理的な抵抗があり、主張が弱くなる
 • 結論をぼかして終わってしまう

エッセイでよく見られる「弱いロジック例」

 その結果、次のような表現が頻繁に使われます。

  It depends on the situation.
  Both sides have good points.
  There is no clear answer to this question.

 これらの表現自体が「間違い」というわけではありません。しかし、意見を求められているエッセイでは、次のように受け取られてしまいます。

 • 書き手が立場を決めていない
 • 議論を避けているように見える
 • 「考えが浅い」または「自信がない」印象を与える

説明する女性  特に試験の採点者から見ると、It depends で結論を終える文章は、「意見文として未完成」と判断されることが少なくありません。

アメリカ・イギリスの教育ではどう教えられているか

 一方、アメリカやイギリスでは、小学生の段階から 「意見+理由」 を書く練習が、はっきりと位置づけられています。重要なのは、いきなりディベートで相手を論破することではありません。まず重視されるのは、作文(ライティング)として自分の立場を示すことです。

アメリカ・イギリスの小学校の例

 アメリカでは、小学生でも次のような課題が普通に出されます。

 Which is better, dogs or cats? State your opinion and give two reasons.

ここで評価されるのは、
 • 犬か猫かを必ず選んでいるか
 • I think ~ because ~ の形で理由が書けているか

※ 理由の深さや語彙の難しさは、最初から求められません。「立場を決めて、理由を支える」ことが最優先です。

 イギリスでも基本は同じです。作文や授業内の発言では、常に

 • What do you think?
 • Why do you think so?

がセットで求められます。課題の例としては、

 • Is it better to live in the city or the countryside?
 • Should homework be banned?

などがあり、ここでも 「どちらかを選び、理由を述べる」 ことが最低条件になります。

説得力のある文章を書くための現実的な練習

 こうした背景を考えると、日本の教育環境で育った多くの学習者に共通する作文が「弱く、説得力に欠けやすい」理由の一つは、「ポジションを取り、その理由を言語化する」訓練に慣れていないことだと言えます。
 そのため、最初から長いフルエッセイを書くよりも、まずは 短くても「立場がはっきりしている文章」を安定して書けるようになる ことが非常に重要です。

日常でできる A or B 思考の練習

 日常の中で、「A と B、どちらを選ぶ? なぜ?」と考えるだけでも、意見表明のトレーニングになります。

例1:レストランでランチ A とランチ B があり、A を選んだ場合

I would choose Lunch A. This is because it has more vegetables and looks healthier, and it is also cheaper than Lunch B.
私はランチAを選びます。なぜなら野菜が多くてヘルシーに見えるし、価格もBより安いからです。

例2:タオルを買いに行き、安い商品 A と通常価格の B を比べて B を選んだ場合
I would choose Product B. Even though it costs more, it will last longer and save money in the long run.
私は製品Bを選びます。出費は多くなりますが、長期的には長持ちするからです。

このように、意見 → 理由 という最小単位を繰り返し練習することで、説得力のあるエッセイの土台が自然と身についていきます。

説明する女性

 英語便スタンダードコースにも、A or Bの思考を鍛える練習ツール A or B Questionsコーナーがあります。

簡単なDo you prefer rice or bread for breakfast?という問題から、In order for humanity to thrive in the future, do you think it is more important to focus on economic growth or to put more effort into environmental protection?のような社会問題まで全43問を使って練習いただけます。

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