TOEIC® SW TEST – 1.試験の概要と採点方法について

TOEIC® Speaking and Writing TestsおよびTOEIC® Speakingテストについて

金子靖(研究社編集部)

1.試験の概要と採点方法について

受験者数は毎年加速度的に増えている

TOEIC® Speaking and Writing Tests(以下、TOEIC SW テスト)は、発信型英語能力判定の信頼しうる試験を求める声に応えて、ETS(Educational Testing Service)が2006 年に開始した。以来、受験者の数は毎年増えつづけている。一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)発表の過去3年のデータだけを見ても、年間受験者数推移が、2013年の1万4700人から2016年の3万2300人と加速度的に増えている。これは、現代のビジネスの場で「英語で話す力、書く力」を測るニーズが高まっていることによると考えられる。
また、2016 年1 月よりTOEIC® Speakingテスト(以下、TOEICスピーキング・テスト)公開テストが開始され、スピーキング・テストのみの受験も可能になった。
TOEIC® Listening and Reading Test(以下、TOEIC L&R テスト)とあわせて、TOEIC SW テスト、TOEIC スピーキング・テストの受験者数は、今後さらに増えると思われる。

※ TOEIC SWの受験者数の推移は以下を参照↓
http://www.iibc-global.org/iibc/press/2017/p071.html
http://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/sw/pdf/sw_transition_2016.pdf

以下、TOEIC SWテストおよびTOEICスピーキング・テストの特徴と学習法について記す。

どんな人が受験するのか

実際にTOEIC SWテストを受けていただき、そのOfficial Score Certificate(公式認定書)についてくる「テスト結果について」の情報をご覧いただくと、受験者の職業、年齢層、男女比などがわかる。毎回若干の違いはあるが、2017年度の数回データより、受験者の比率はビジネスピープルと学生では、ビジネスピープル6~7:学生4~3くらいになっている。男女比は男性のほうが少し多い。TOEICが基本的にビジネス英語の試験なので、社会人の受験者のほうが多いようだ。
また試験会場では外国人もよく見かける。多くは英会話の講師やTOEIC関連の問題集を書いている著者かと思われるが、自発的に、あるいは勤務先の企業に求められて受けている方も少なくないと思われる。アジア系の方もよく見かける。

受験料について

TOEIC SWテストの受験料は2017年5月現在、1万260円(税込)、スピーキング・テストのみの受験料は6,804円(税込)だ。
申し込み後に試験日変更/キャンセル/時刻変更/会場変更もできるが、指定された変更時期に行なわなければならず、手数料もかかるので注意しよう。
TOEIC L&R テストの受験料(5725円[税込])と比べると約4500円高額で、割引制度もない(インターネット上でTOEIC L&Rテストの受験申込をすると、1年後の公開テストは5072円で受けられる)。
TOEIC SWテストとTOEICスピーキング・テストの受験料がTOEIC L&Rテストの受験料よりも高いのは、「採点に手間と時間がかかる」からであろう。TOEIC L&Rテストはマークシート記入式なので機械採点によって短時間でスコアが出せるが、TOEIC SWテストとTOEICスピーキング・テストはそうはいかない。各受験者が話した音声と書いた文書はパソコンに保存され、アメリカのETSに送信され、そこで適切な採点があると認定された者が採点することになる。
ETS および国際ビジネスコミュニケーション協会の公式サイトに、以下、TOEICスピーキング・テストとライティング・テストの採点方法について、以下のように記されている。ちょっと長いが、見てみよう。

※ 以下IIBCホームページ(http://www.iibc-global.org/toeic/test/sw/about/scoring.html)より引用

採点について・採点方法
TOEIC® Speaking TestTOEIC Speakingでは、解答はデジタル録音され、ETSのオンライン・スコアリング・ネットワークに送られます。各受験者の解答は、ETSの認定を受けた採点者によって採点されます。TOEIC Speakingには6つの問題形式があります。はじめの4つの問題形式(Question 1から9)の採点には0~3のスケール
あとの2つの問題形式(Question 10から11)の採点には0~5のスケールが与えられます。
各項目のスケールの合計に統計的処理を施し、0点~200点のスコアに変換します。TOEIC® Writing TestTOEIC Writingにおいても、解答はすべてETSのオンライン・スコアリング・ネットワークに送られます。
採点は、TOEIC Speaking同様にETSの認定を受けた採点者によって行われます。
TOEIC Writingには3つの問題形式があり、最初の問題形式(Question 1から5)の採点には0~3のスケール
2番目の問題形式(Question 6から7)の採点には0~4のスケール
3番目の問題形式(Question 8)の採点には0~5のスケールが与えられます。
各項目のスケールの合計に統計的処理を施し、0点~200点のスコアに変換します。オンライン・スコアリング・ネットワーク (OSN: Online Scoring Network)ETSが開発したTOEIC S&Wを採点するインターネット上のシステムで、 ETSの認定を受けた採点者はOSNにアクセスして採点します。OSNによる採点では、受験者情報と解答データは完全に分離され、採点者は受験者の国籍や氏名、他の設問でどのような解答をしているかなどを知ることはできません。こうして各設問の採点の独立性が保たれます。また、OSNを通して採点者は採点を始める前に必ずテスト(採点基準を一定に保つためのチェックテスト)を受け、採点の正確性を確認しなければなりません。
(詳しくは下記「テストと採点の信頼性」参照)
・テストと採点の信頼性
採点者の採用や結果の管理の方法TOEIC S&Wのように人によって採点されるテストでは、結果の信頼性・一貫性が何よりも重要です。ETSではテスト結果の信頼性・一貫性を維持するために、以下のような厳格な方法で採点者の採用や結果の管理を行い、テストの品質向上に努めています。採点者に応募した人物の中から資格や経験を考慮し、採点者として適性の高い人物を候補者として選ぶ。
候補者はオンラインで集中的に、実際の環境に近い形での採点の訓練を受ける。
テストを実施し、合格者のみがTOEIC S&Wの採点を行う。
採点者は毎回の採点を行う前にもあらためてテストを受けて合格しなければならない。このテストに合格しなければ、その日は採点をすることができない。
採点は常に採点基準やガイドラインに基づいて行われる。
訓練を受けたscoring leader(採点者のリーダー)が採点の過程をモニターする。万が一、採点者に問題がある場合、その採点者は再教育を受けたり、採点者としての認定を取り消されることがある。
採点結果はscoring leaderとETSのテスト開発者がすべて確認している。
テスト結果を発送する前に、ETSの統計の専門家がすべての採点結果を分析し検証する。

この記述を見る限り、ETSはTOEFL iBT同様(225ドル)かなり公平に採点しようとしていることがわかるし、TOEIC L&Rテストや、英検1級(8400円)や準1級(6900円)よりも試験料が高いのはやむをえないと思われる。

フォローする

コメントの入力は終了しました。