“Could have“と”Would have”の使い分け – 実践で学ぶ英文法

英文法・語法

 “Could have“と”Would have”はどちらも、実際には起こらなかった過去の出来事に対し、「もしこうだったら」想像するときに使われる文型です。両者の使い分けは文脈によることも多いですが、文法や意味の流れより明らかにどちらかが使われることもあります。当記事では“Could have“と”Would have”それぞれの意味と使い分けを説明します。

Could have – Ability(できること)・Possibility(可能性)

“Could have”は、できることや可能性と結びつき、日本語では「~できたかもしれない / ~できたはずだ」「~が起きたかもしれない / ~が起きたはずだ」といった意味で使われます。例文を見てみましょう。

She could have gotten an A in the test if she’d worked harder.
彼女はもっと熱心に勉強したなら、試験でAを取ることができたはずだ。

He could have been hurt. You should be more careful!
彼はけがをしていたかもしれない。あなたはもっと気を付けるべきです!

I wonder why he’s so late?
He could have slept through his alarm.

彼はどうしてこんなに遅いんだろう。
目覚ましに気付かず寝ていたのかもしれません。

Where is that cat?
She could have jumped out of the open window earlier.

あの猫はどこですか。
開いている窓から、さっき飛び出していったのかもしれません。

Would have – Certainty(確信)

“Would have”は「~したであろう」「~が起こったであろう」という意味で、過去の出来事に対して予測ではあるが(ある程度)確信があるという場面で使われます。

If he had gone to the park that morning, he would have seen her.
もし彼がその朝公園に行っていたら、彼女に会っていたでしょう。

※ 会話では、以下のように「~するつもりだったが、できなかった」という意味でもよく使われます。

I would have gone to the meeting, but my car broke down.
会議に行くつもりだったのですが、車が故障してしまいました。

She would have stayed later, but she got a phone call from work.
彼女は、もっと遅くまで残るつもりでしたが、仕事場から電話がかかってきてしまいました。

Could haveとWould have の使い分け

上記で説明したとおり、Could haveとWould have の使い分けは、以下の基本ルールを念頭において考えてください。

Could have – Ability(できること)・Possibility(可能性)
Would have – Certainty(確信)

 以下の2つの英文を見てください。日本語ではどちらも「私はもう少し食べられた。」と訳せると思いますが、意味合いが異なります。

(A) I could have eaten more.

(B) I would have eaten more.

 (A)は「私はもう少し食べることができた(食べる能力があった)」(B)は、「私はもう少し食べるつもり(予定)だった(食べる確信があった))」という意味合いになります。

 以下は実際に添削へ提出があったロジック誤りのあるセンテンスです。誤り点を指摘してください。

(NG) I would have gone to the movie theater, but I didn’t want to.

 Would haveには「確信」の意味があるため、これだと「映画館へ行く予定があったが行きたくなかった。」という矛盾した意味になってしまいます。以下のようにcould haveを使えば意味が成り立ちます。

I could have gone to the movie theater, but I didn’t want to.
映画館に行こうと思えば行けましたが、行きたくなかったのです。

復習クイズ

 では、復習でクイズに挑戦してみましょう。以下の(A1 ~ A6)に、could have またはwould heveのどちらかを選んで入れてみてください。

Q1. 
I ( A1 ) gone to the park, but I didn’t want to.
公園に行くこともできましたが、それはしたくありませんでした。

Q2. 
She ( A2 ) passed the test, but she missed class that morning.
彼女は試験に合格できたはずだが、その朝は授業を欠席しました。

Q3. 
He ( A3 ) made the meeting if the train hadn’t been late.
電車が遅れていなければ、彼は会議に間に合っていたでしょう。

Q4.
Person A: Why don’t we have any ice-cream left?
Person B: Deej ( A4 ) eaten it last night.

Person A: どうしてアイスクリームが残っていないの。
Person B: 昨夜ディージが食べたのかもしれません。

Q5.
They wanted to eat Thai food last week and they ( A5 ) gone out to a restaurant but they didn’t have time.
先週、彼らはタイ料理を食べたくなり、レストランに行こうとしていましたが、時間がありませんでした。

Q6.
Person A: I haven’t seen Ibi all day.
Person B: He ( A6 ) overslept again.

私は今日一日中イビを見ていません。
彼はまた寝過ごしてしまったに違いない。

[解答]
A1. could have – できること
A2. could have – できること
A3. would have – 確信
A4. could have – 可能性
A5. would have – 確信
A6. could have – 可能性

 クイズはできましたか?はじめは難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると簡単に使い分けできるようになると思います。ぜひ、ライティングや会話で意識して使ってみてください。