過去進行形を使いこなす! – 実践で学ぶ英文法

英文法・語法

 過去進行形「(過去形 be動詞) + ing」の構文を文法的に理解していても、どう使えば効果的なのかを抑えている学習者は少ないと思います。大抵の過去進行形の文の意味は、単純過去形でも表現できてしまいます。当記事では、過去進行形の効果的な使い方を理解し、より幅広く、自然な文章が書けるようになるためのヒントを説明しています。

過去進行形の定義

 まずは文法の復習です。過去進行形は過去のある時点で行われた動作や一定期間なされたイベントに対して使われます。

[基本形] 主語 + was/were + ~ing

(注)過去進行形の~ingの部分に使える動詞はAction verb (動作動詞)のみです。
 State verb(状態動詞)には単純過去を使います。

(OK) I was driving ~
(OK) She was listening ~
(NG) I was wanting to ~ => (OK) I wanted to ~
(NG) He was liking ~ => (OK) I liked ~

以下、過去進行形がよく使われる5つの場面別に例文を使って説明していきます。

利用場面1: (小説などの)背景描写

 過去進行形は小説などのクリエイティブライティングにおいて背景描写によく使われます。
継続性のある進行形を使うことで、単純過去に比べ、シーンがより活き活きしたイメージになります。

It was a dark night, but far from silent. The wind was whistling in the trees and the leaves were dancing along the ground with a strange, scraping sound.
それは暗い夜でしたが、静けさとは遠いものでした。風は木々の間をヒューヒューと吹きすさみ、葉は地面に沿っておかしなキーキーという音に併せて踊っていました。

利用場面2: 割り込みのあるシーン

 「過去進行形+イベント」の形で、背景のシーンと割り込みイベントを対比させ、イメージを明確化します。

I was taking a shower when the phone rang.
シャワーを浴びていたら、電話が鳴りました。

She was talking to Abdul when Tom came and interrupted her.
Tomが来て割り込んだとき、彼女はAbdulと話していました。

利用場面3: 過去に繰り返し起こったイベントや事柄

 時間的に継続していなくても、過去に繰り返し起きたことやイベントを表します。

I went to the London School of Music when I was 12 and, at that time, I was practicing the violin for four hours a day.
12歳のときに、ロンドン音楽学校へ通いました。その時、一日4時間バイオリンを練習していました。

利用場面 4: 気持ちの変化

 「こう思っていたけど(こうするつもりだったが)、やっぱりこうする」というときにwas/were going to ~ を使って気持ちの変化を表します。

I was going to go shopping but then it started to rain.
買い物に行くつもりでしたが、雨が降り始めました。(雨なので買い物をやめました)

They were going to spend their vacation in Hawaii but decided to stay in Japan instead.
彼らはハワイで休暇を過ごすつもりでしたが、代わりに日本で過ごすことにしました。

利用場面 5: 丁寧な言い方

 丁寧なトーンの表現に過去進行形を使うことがあります。例えば、I was wondering if ~という表現は、丁寧なトーンで何かを依頼するときの言い方です。I was wondering if ~は一種の定型句で、現在の依頼であっても過去進行形を使います。

I was wondering if you’d be able to send over the files today.
あなたがファイルを本日配布できるかどうかと思っているのですが。

以上、過去進行形の利用場面と例文を紹介させていただきました。ぜひ実際のライティングで使ってみてください!