単調な英文表現からの脱却 No.1-同じテーマで文体を変える練習法

 英文を洗練させたい、表現の幅を広げたい—これは多くの英語学習者が抱く願いです。毎日の日記、資格試験の過去問、語彙学習などはもちろん効果的ですが、長く続けていると

• いつも似たパターンの英文になってしまう
• たくさん練習しているのに、ネイティブの表現に近づけない

といった悩みにぶつかることもあります。
そこで本シリーズでは、視点を変えて書くトレーニングを通じて、表現力と文体の幅を広げる方法をご紹介します。全3回のうち、第1回となる今回は、「同じテーマを異なる文体で書き換える」練習です。
日記のようなカジュアル表現から資格試験のエッセイまで幅広く応用できます。

なぜ同テーマで書き換えるのか?

 同じテーマで書くことで内容が固定され、「言いたいこと」ではなく 「どう表現するか」 に集中できます。これにより、普段使わない文体や表現の回路が育ちます
視点を切り替える習慣がつくと、より複雑な構成の文章も自然に書き分けられるようになります。

同じテーマを「3つの文体」で書き分ける練習

 以下、2つのテーマについて書き換え練習法を説明します。

テーマ1:雨の日 (日記やジャーナルでの練習例)

(1) 自分の感想を書く(Opinion / Personal voice)

(例)  Rainy days make me calm. I enjoy listening to the sound of the rain.
雨の日は心が落ち着きます。雨音を聞くのが好きです。

説明する女性 「I think ~ because」「however」など理由・対比表現を入れるとより効果的です。

(2) 客観的に書く(General / Objective voice)

(例) Many people say that the sound of rain helps them relax and sleep better.
多くの人は、雨の音がリラックスや睡眠の改善に役立つと言っています。

説明する女性 「一般論」「紹介」「報告」を意識し、”I” を使わない表現に慣れるのがポイントです。

(3) 読み手へのアドバイス形式で書く(Advice / Instruction)

(例) If it rains all day, make some tea and read a book. It’s a cozy way to spend time.
一日中雨なら、お茶を淹れて本を読んでみましょう。とても居心地の良い過ごし方です。

説明する女性 命令形、should/try to などで「相手に働きかける」表現を使ってみましょう。

テーマ2:オンラインラーニング (意見を述べるエッセイでの練習例)

(1) 自分の感想を書く(Opinion / Personal voice)

(例) Online classes are effective because students can study at their own pace.
オンライン授業は、自分のペースで学習できるため効果的です。

(2) 客観的に書く(General / Objective voice)

(例) Studies show that online classes help students learn flexibly and independently.
研究によると、オンライン授業は柔軟かつ自立的な学習に役立ちます。

(3) 読み手へのアドバイス形式で書く(Advice / Instruction)

(例) If you take online classes, set a schedule and avoid multitasking.
オンライン授業を受けるなら、スケジュールを決め、マルチタスクは避けましょう。

他にもある文体のバリエーション

 目指す文章スタイルに合わせて、文体のアプローチを変えるのも有効です。

• 説明 → 具体的な情景・体験(Explanation → Narrative)
• 課題提示 → 解決策(Problem → Solution)
• 長所 → 短所(Pros → Cons)
• 個人 → グループ → 一般化(I → we → people)

まとめ

 今日の気づき、最近の体験、日常の小さなテーマで構いません。
同じ内容を、違う文体で書く
これを習慣化すると、英文の深さと広がりが驚くほど変わります。

次回は、
「読み手を変えるだけで英語が変わる」
という視点でライティングを磨く方法をご紹介します。お楽しみに!


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