関係代名詞 “Which” vs “That” (暗黙のルール)

英文法・語法

 関係代名詞“which”と“that” の使い分けを難しいと感じている方もいらっしゃると思います。実際、「海外英文記事での用法が学習書の解説と異なる」といったご質問も多くあります。しかし、例外を除いて簡単なルールでとらえてしまえば、使い分けは簡単です。以下、whichとthatの使い方について説明させていただきます。

基本ルール

まずはじめに、以下の2つの文を見てください。

A. I love people that sing in the shower.
シャワーしながら歌う(ような)人が好きです。

B. I love Vancouver, which is a city in Canada.
私は、カナダの都市であるバンクーバーが好きです。

 Which と thatのどちらを使うかは、基本的には以下のルールで考えてください。

A.のように関係代名詞でつなげる内容が、直接文の意味を決定する場合 that (制限用法)、B.のように付加情報、先行詞を修飾するものである場合はwhichを使います。(非制限用法)

That – 直接意味に関係する場合 (制限用法)

 Thatは関係代名詞でつなごうとする部分がないと意味が成り立たないときに使われます。

We need the train that goes to Kyoto.
京都へ行く電車が必要だ。

 ※ 上記では、that goes to Kyotoの部分を除いた文”We need the train.”「電車が必要だ」だけでは読み手に目的とする意味が伝わらなくなります。that goes to Kyoto の部分が意味を成すために必要です。

  文法的には、以下のようにthatを制限用法whichに置き換えることもできます。
(例) We need the train which goes to Kyoto. 

 英文ニュースなどでも上記のようなwhichの制限用法が使われていることがあります。
ただし、制限用法ではthatを使う人が大多数で、国や地域により制限用法のwhichが不自然だと思われるケースもあります。ライティングルールとしては、「制限用法ではthatを使う」と覚えておけばよいでしょう。

Which – 付加情報・文の修飾 (非制限用法)

 一方、関係代名詞でつなごうとする部分が付加情報である場合は、whichを使います。

We need the train to Kyoto, which arrives on platform 9, and leaves at 10pm.
9番ホームに到着し、10時出発の京都行きの電車が必要だ。

 ※ 上記センテンスでは、which以下の部分を取り除いてもWe need the train to Kyoto.で基本的な意味が成り立ちます。関係代名詞以下が付加情報となっているため、ここではwhichが使われています。

非制限用法which文の前後にはカンマが必要です。

まとめ

 では、最後にクイズで復習しておきましょう。以下の(A)と(B)はどちらが正しいでしょうか?

(A) My car that is yellow goes fast.
(B) My car, which is yellow, goes fast.

実はどちらも正しいのですが、意味が異なります。

(A) (私は複数台の車を持っており)黄色い車が速く走ります。
(B) 私の車は速く走ります。そして私の車は黄色です。

 以上、関係代名詞whichとthatについて説明しました。ライティングで迷わず使えるようになったのではないかと思います。Keep practicing and you’ll find it gets easier. Good luck!

コメントの入力は終了しました。